結晶する時、宝石(ホストジェム)の中に不純物が取り込まれる事は、いたって普通です。
特徴的なインクルージョンが、個性を引き立たせるケースがしばしば。
熱心な宝石ファンに むしろ愛好される物だってあります。
こんな感じでイギリスGem-A機関紙の表紙を飾ることも・・・。
さて、インクルージョンの研究で多大な貢献をしたのが、故エドワード・J・グべリン博士。
その研究の集大成ともいえる著作「フォトアトラス」は、お店に常備してます。
写真だけでもじゅうぶん楽しい♪
はじめに紹介した雑誌の表紙のインクルージョン写真は、ロシア・ウラル産のデマントイド ガーネット。
その特徴的な「ホーステール(馬のしっぽ)」は、マニア垂涎のもの。
この宝石 イタリア、ナミビア、マダガスカルなどでも産出しますが、ホーステールが入るのはロシア・ウラル産だけ。
産地まで特定できるという実に貴重なインクルージョン。
色、テリ、そして美観を損ねない ほど良いホーステール・・・たまりません

最後に、グべリン博士の残した名言を紹介しておきましょう。
「これらのジュエリーの中に、数千年前にも遡る過去の天然記念物が存在する事を知っている人は殆どいない・・・
貴石は、その神秘を探る事が出来る人には、ファラオがメンフィスに建てた巨大なピラミッドに負けない位興味深い物語を語りかける。
その壮大な内なる宇宙は『神の指紋』と呼ぶのが最もふさわしいのではないか。」
ー宝石鑑別手段としてのインクルージョン、1953年ー